- 多発性内分泌腫瘍症1型とはどのような病気ですか?
- MEN1ではどのような病気があらわれるのですか?
- MEN1でできる腫瘍は悪性なのですか?
- どうしてMEN1になるのですか?
- どのようにして MEN1と診断されるのですか?
- MEN1患者の症状は皆同じですか?
- MEN1ではどのような治療が行われるのですか?
- MEN1は治りますか?
- 遺伝子に原因があるならば、遺伝子治療はできませんか?
- 遺伝カウンセリングとはどういうものですか?
- 子どもは欲しいのですが、病気が遺伝することが心配です。
- 子どもに病気が遺伝しているかどうか不安です。
- MEN1についてもっと知りたいのですが・・・
- 他にも役立つサイトはありますか?
札幌医大附属病院の遺伝子診療科では、遺伝の問題について心配や不安を持っている方や、ご本人やご家族が遺伝性の病気である可能性を告げられた方のご相談をお受けしています。
信州大学医学部附属病院遺伝子医療研究センターでは、毎月1回MEN専門外来を開設しています。詳しくはこちらをご覧ください。
信州大学医学部附属病院セカンドオピニオン外来では、MENについてのセカンドオピニオンも受け付けています。詳細や受診方法は、セカンドオピニオン外来HPをご覧ください。
京都大学医学部附属病院遺伝子診療部では専門の医師によりMEN(MEN1/MEN2)の診療を行っています。詳しくはこちらをご覧ください。
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1.多発性内分泌腫瘍症1型とはどのような病気ですか?
多発性内分泌腫瘍症1型(Multiple Endocrine Neoplasia type 1:MEN1と略し、エムイーエヌワンと読みます)は主に内分泌臓器(ホルモンを作る臓器)が冒される病気です。
内分泌臓器はホルモンを産生し、血液中にこれを放出(分泌)するという特徴を持っています。ホルモンは血液中を運ばれ、身体のさまざまな器官の働きを調節する重要な役割を担っています。正常な状態ではホルモンの合成と分泌は身体の状態によって巧妙に調節されています。
MEN1の患者さんではこれら内分泌臓器で、通常は成人になってから機能亢進(必要以上にホルモンを産生・分泌する状態)がおきたり、腫瘍ができたりします。異常がおこりやすいのは副甲状腺、膵臓、脳下垂体などです。一つだけの内分泌臓器で機能亢進や腫瘍がみられる患者さんは多くの場合MEN1とは関係がありませんが、MEN1では時期を別にして複数の異常があらわれてくることが多いので、特に若い人に病気があらわれた時はそれがMEN1に関係したものでないか調べることが必要になります。
MEN1の頻度は人口10万人あたり3~20人ぐらいと考えられており、この病気の発病頻度に男女差はありません。