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ごあいさつ「MENについて」コンテンツ MEN1とは?MEN2とは? 遺伝について 患者様・ご家族様へ MEN患者・家族の会 札幌医大附属病院 遺伝子診療科

札幌医大附属病院の遺伝子診療科では、遺伝の問題について心配や不安を持っている方や、ご本人やご家族が遺伝性の病気である可能性を告げられた方のご相談をお受けしています。

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信州大医学部附属病院 MEN専門外来

信州大学医学部附属病院遺伝子医療研究センターでは、毎月1回MEN専門外来を開設しています。詳しくはこちらをご覧ください。

 

信州大医学部附属病院セカンドオピニオン外来

信州大学医学部附属病院セカンドオピニオン外来では、MENについてのセカンドオピニオンも受け付けています。詳細や受診方法は、セカンドオピニオン外来HPをご覧ください。

 

京都大学医学部附属病院遺伝子診療部

京都大学医学部附属病院遺伝子診療部では専門の医師によりMEN(MEN1/MEN2)の診療を行っています。詳しくはこちらをご覧ください。

 

MENニューズレター「むくろじ」

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top>MENについて>MEN2とは?>10.子どもに病気が遺伝することが心配です。

10.子どもに病気が遺伝することが心配です。

遺伝子に変異があると診断された人は子供を持つかどうかの決断に悩むかもしれません。この問題について最終的な決断を下せるのは本人以外には誰もいませんが、十分な情報や相談する場所がなければこうした悩みを一人で抱えこんでしまうことになります。遺伝カウンセリングでは患者さん本人あるいはご夫婦に対して、家族計画についての意志決定をするために必要な助言を行います。遺伝カウンセラーは情報を提供しますが、どのように決断すべきであるといった指示をすることはありません。MEN2は多くの検査や手術が必要になる場合が多く、また定期的な通院と内服治療を続ける必要もあるので、患者さんにとっては身体的にも精神的にも大きな負担になっているのが事実だと思いますし、同じ思いを子どもにさせたくないと考えるのも親として自然な感情だと言えます。しかし20年前のMEN2の治療に比べて現在の治療が進歩して患者さんの予後(経過や寿命)が良くなったように、これから将来に向かってよりよい治療法(理想的には完全な発症の予防)が可能になることは十分に期待されます。もちろんそれは医療の側に課せられた使命です。
出生前診断という技術があります。これは胎児がまだ小さいころに胎児の遺伝子を調べて病気の遺伝子が伝わっているかどうかを判断するものです。しかしこの検査の対象になりうる病気は、極めて重症で苦痛を伴い、現在のところ有効な治療法がないようなものに限られます。また胎児の遺伝子検査は妊婦、胎児双方に無視できない危険を伴いますし、結果が陽性であったときに中絶を行うかどうかという重い問題に直面することになります。さらには着床前診断といって、体外授精による受精卵の時点で遺伝子を調べ、対象となった遺伝子の変異がないことを確認してから子宮内に戻すという技術もありますが、これはまだ日本では行われていません。いずれにしてもMEN2はこうした診断法の対象とはなりえません。

遺伝の問題からは話題がそれますが、褐色細胞腫がある場合、妊娠や分娩は母子双方にとって生命にかかわる危険を伴います。したがってMEN2の体質を持つ方が妊娠を希望される場合は、妊娠前に褐色細胞腫が存在しないことを検査で確認することがとても重要です。 これはすでに両側の副腎について褐色細胞腫の手術を受けている方の場合も同様です。褐色細胞腫の一部は副腎以外の部分から発生することもあるからです。