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札幌医大附属病院の遺伝子診療科では、遺伝の問題について心配や不安を持っている方や、ご本人やご家族が遺伝性の病気である可能性を告げられた方のご相談をお受けしています。

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信州大医学部附属病院 MEN専門外来

信州大学医学部附属病院遺伝子医療研究センターでは、毎月1回MEN専門外来を開設しています。詳しくはこちらをご覧ください。

 

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信州大学医学部附属病院セカンドオピニオン外来では、MENについてのセカンドオピニオンも受け付けています。詳細や受診方法は、セカンドオピニオン外来HPをご覧ください。

 

京都大学医学部附属病院遺伝子診療部

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6.MEN2ではどのような治療が行われるのですか?

甲状腺髄様癌の治療

甲状腺髄様癌に対しては手術が選択され、MEN2の場合は甲状腺をすべて取り除く甲状腺全摘術が行われます。これは発見された癌がたとえ小さくても残った甲状腺から再び癌が発生する可能性が高いためです。また状況に応じて周辺のリンパ節を取り除くなど手術範囲の拡大も必要になります。甲状腺髄様癌に対しては化学療法や放射線療法の効果はあまり期待できません。甲状腺の手術は現在は頸部を大きく切開して行うのが普通で、このため手術のあとが目立つ場合もありますが、近年小さな切開で手術を行ったり、胸や腋を切開し、そこから甲状腺まで内視鏡を挿入して手術を行い頸部に切開のあとを残さなかったりする低侵襲性手術が開発されつつあります。甲状腺を全部取り除いたあとは、不足する甲状腺ホルモンを錠剤の形で飲み続ける補充療法が必要になります。
遺伝子検査の結果に基づいて甲状腺髄様癌の発症前の小児期に予防的手術を行う場合も全摘術が行われます。この時に周囲のリンパ節などをどの範囲まで取り除くかについては外科医の間でまだ議論されており、一定の見解には達していません。

 

褐色細胞腫の治療

褐色細胞腫が見つかった時は手術でこれを取り除きますが、腫瘍から分泌されているカテコラミンの影響で血管が収縮し体内を循環している血液量が減少しているため、直ちに手術を行うとショックを起こす危険があります。このため褐色細胞腫の手術にあたっては、術前に血管拡張作用のある降圧剤を使用して安全に手術が行える状況にしておく必要があります。手術は以前は腹部を大きく切開する方法が中心でしたが、最近では次第に腹腔鏡を用いる手術が行われることが多くなっています。両側に褐色細胞腫が見つかった時の手術方法も、技術の進歩と安全性の向上に伴って腹腔鏡が選択される場合が多くなりつつあるようです。副腎以外に褐色細胞腫が生じた場合は、その位置や大きさによって手術方法が選択されますが、手術前の降圧剤治療は副腎の場合と同様に必要です。
副腎の褐色細胞腫を手術で取り除いた場合は通常副腎皮質も一緒に切除されます。副腎皮質はコルチゾールという私達の体にとってなくてはならない重要なホルモンの合成・分泌の場であり、手術で両側の副腎皮質が取り除かれた場合はこのホルモンを内服薬の形で補充し続ける必要があります。副腎は片方だけでも十分量のホルモンを合成する能力を持っていますので、片側の副腎だけの手術の場合はこうしたホルモン補充療法は必要ありません。


副甲状腺機能亢進症の治療

副甲状腺機能亢進症の治療も手術によって副甲状腺を取り除きますが、MEN2Aの患者さんの副甲状腺機能亢進症は一般に軽症であることが多いので、もしこの病気が見つかったとしても手術を行うかどうかは、血液中のカルシウム濃度の他、尿中へのカルシウム排泄量(これが高いと尿路結石や腎臓の機能障害をおこしやすくなります)、骨量などを測定して総合的に判断する必要があります。手術も機能亢進を起こしている副甲状腺だけを取り除くのか全部の副甲状腺を取り除くべきなのか、一定の見解はまだありません。